broken heart
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そんな折り。 事情など一切知らない従兄弟・枝藤匡一郎さんが、我が家を訪れた。 早くに両親を亡くし、渡英するまでの数年間をこの家で過ごした……と聞いたものの。 一回り以上も歳の離れた従兄弟のことなぞ、自分の記憶にはまるで残っていない。 「大きくなったね」 懐かしげに笑みを向けられても、言葉を返せない自分が。 少しだけ。ほんの少しだけ、申し訳なかった。
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