メモリー3

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朝9時 「うぅ・・・」 僕は布団を深くかぶって寝ている、何故なら上の階から激しいピアノの演奏が聞こえてくるのだ 「うぅ・・・!」 僕は上の階のドアを勢い良く開ける 「R・ドロシー・ウェインライト!!」 「おはよう、ロジャー」 ドロシーはピアノを演奏しながら僕の方をむく 「一体何をやってるんだ!?」 「いつまでもロジャーが寝ているから、ノーマンの作ったスクランブルエッグが冷めてしまう」 「・・・」 カチャ・・・カチャ・・・ 僕はスクランブルエッグをフォークでつついている、目線の先にはコーヒーを飲む振りをするドロシー 「そっか・・・真似てるだけなんだ・・・だから不自然なんだ」 「もう少し順序だてて言ってもらえるかしら?」 「要はどれだけピアノの演奏が上手かろうとそれは真似てるだけ、人の心を心地よくするものじゃあない」 「心地のよい目覚ましなんて無いわ」 「ぐっ!」 僕が反論しようとしたら、急に明かりが消えた 「最近多ございますなぁ、ただいま自家発電に切り替えてまいります」 ノーマンが部屋を出ていく、僕の目の前が明るくなる、ドロシーのバンドが開いた明かりだった 「食事を続けて」 「止めてくれないか!?」 さすがに食事を続ける気にはなれない 「おぉ、これは便利ですな」 ノーマンがローソクを持って戻ってくる 「ノーマン!自家発電はどうした!?」 「申し遅れました、お客様がお越しです」 「客?通したのか?」 「はい」 「そうか、そうだったな」 僕はテーブルを離れ自室に戻る、その時ドロシーが僕の方を見ていたことを知らず
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