お人形

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今日、俺は幼馴染みに“見せたいものがあるの!”とか言われて、彼女の家にやってきた。 チャイムを鳴らすと、“はぁ~い。”と気の抜けた声がする。 “よう!久しぶり。” “あぁ!やっときた~。待ってたんだから~” “すまんすまん。” そんなたわいもない話をしながら、彼女の家に入った。 地獄の幕開けになるともしらず。 “なんか、ほんとに久しぶりだなぁ。ちっちゃいころはよくきてたのになぁ…” 俺がこの家に来るのは、本当に久しぶりで、この前来たのはたしか正月だったか。 “そういえば、おばさんは?” “うん。ちょっとね。それより、見せたいものがあるの!!” そういって彼女は何かを持ってきた。 “ジャジャーン!!” “おっ!!それ自分で作ったのか?” “うん!” 彼女が持ってきたのは、少し大きめの人形だった。 いやにリアルで少し気持ち悪かった。 “おまえ、そんなに器用だったっけ?” 小さいころ、砂の山でさえ上手く作れたなかった覚えがある。 “ぶー。不器用じゃないもん!!それでね。これね。ちょっと変わってるんだぁ。” “え?どっからどうみても普通の人形じゃん。” “普通の人形?違うよーっ!!これね、実はお母さんなの!!” どっからどうみても普通の人形だが。 “ほんとだよーっ!!だって、お母さんからできてるもん。” その言葉を聞いたとたん、背筋に冷たいものがはしった。 “私ね。お母さんが大好きなの。でも、お母さん仕事ばっかで一緒にいれないでしょ。” 嫌な予感がする。まさか… “だから、お人形にしちゃった。これならずっと一緒にいれるもん。” その瞬間俺は恐怖で、固まってしまった。 “私ね…あなたのことも大好きなんだぁ。” 彼女は、ナイフを取り出した。 “だから、私のお人形になってね。” グサリ。嫌な音がして目の前が真っ暗になった。 そして…彼女の狂った笑い声が響いた。 そういえば、あいつ…赤い服着てたなぁ…あの赤色は、血だったんだ… その後は、二つの人形を持って少女が狂ったように笑っていた。
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