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不思議に思った明美は更に山の奥へと進んでいく人物の後を追いかけて行く。
その人物は明美たちが花火をしていたその場所で、何かを調べているようだった。
明美の位置からでは、その人物の背中しか見えず、その人物が何をしているのか見えない。
そっと場所を変える明美。
明美は人物に気が付かなかった。
足元にある小さな枝に。
それはほんの小さな音だっだ。
しかし、静寂が支配する山の中でその音はあまりにも大きすぎた。咄嗟に明美は木の後ろに姿を隠す。
「――――!」
その人物が音のしたの方に向かって何かを言う。
「――――、―――――!」
明美にはその人物がまるで何を言っているのか分からなかった。
訛りが強いとか、日本語じゃないとかそういうレベルのものではない。
全く聞いたことのない言語と言った方がしっくりくる。
「―――、―――!―――」
尚も何かを喚いている人物。
明美はそっと、その人物の顔を見た。
体格からして恐らく男だろう。
明美はそう思っていた。
想像通りその人物は男の形はしていた。
しかし、何かが違う。
違いはすぐにわかった。
男は顔に怪我をしていた。しかし、そね傷口から滴る血の色は青い色をしていた。
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