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しかし、話をする男子もクラス内では有名な不良だ。明美を恐れていない。
「何を証拠に桜が宇宙人だって言うのよ!」
「じゃあ聞くけどさ、お前あいつとはいつから友達なんだよ!」
「そんなの昔からよ!」
「具体的にいつ頃からだって聞いてんだよ」
男子の問いかけに明美は言葉につまる。いや、本来なら男子に対して「~からよ!」と自身たっぷりに言い放ちたいのだ。
――しかし。
しかし、明美は考える。桜とはいつどこで出会い、どうやって友達になったのか。
「じゃあさお前、あいつん家知ってるか?」
黙りこむ明美に男子がコレでもかと追撃を仕掛ける。
――桜の家?
何度か明美も桜の家に遊びに行こうとしたが、桜はいつも首を縦には降らなかった。
明美は愕然とした。
大親友のはずの桜の事を明美は何一つ知らない。
「知らねえんだろ?俺あいつのこと調べたんだよ。そしたらあいついつの間にかこのクラスに紛れ込んでたんだよ」
男子は嫌味たっぷりに言う。
「だから何?」
「は?」
「だから!それがどうしたのって聞いてるの!!たとえ、桜が宇宙人でも私にとっては親友よ!」
明美にとって桜はやはり親友なのだ。
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