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[私はこの星の生物ではありません。私は、この星より五万光年離れた惑星からやって来ました。私はその惑星で、とある事で追われる身となり、傷を追いながらこの星に流れつきました]
桜からのメールは到底信じられるものではない。しかし、昨日の出来事が明美にこのメールを信じさせた。
[この星は私の星とは違い、とても美しい。緑と水に溢れています。それだけでなく、ありとあらゆる物が美しい。]
山の中腹部で小規模な爆発が断続的に起きている。
[私はこの美しい星に辿りつけた事を嬉しく思います。しかし、私がこの星にやってきたせいで、私を狙う者がこの星にやってきてしまいました。私はこの星が汚される前にこの星をさります。]
山のふもとでは機動隊が山の様子を伺っていた。
「こら、きみ!」
明美は機動隊の制止をふりきり、一人山の中へ入って行く。
時々近くで爆発が起きる。
がむしゃらに走る明美の制服は所々破け、素肌に生傷が生まれる。
それでも明美は止まらない。すでに明美の体力は限界。口から心臓が飛びでるほど息があがる。後少し、自分にそう言い聞かせ明美は更に山道を駆け上がる。
「―――!!」
やがて、聞き覚えのある男の声が聞こえてきた。
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