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キーンコーンカーンコーン
チャイムが、長い1日の終わりを告げる。
みんな次々席を立つ。
私の高校では、あまり終礼がない。
授業の後はそのまま解散がほとんど。
加えて、必ず部活動か生徒会に所属しなくてはならないので、授業後の教室はあっという間に無人になる。
「もーえっ」
びくっ
「早く部室行こーよぉ」
教室のドアから覗き込むように私を呼ぶ。
金沢りなちゃん。
隣のクラスで、同じバスケ部の人。
甘くて高い声の持ち主のりなちゃんは、美人でスタイルも良く人気者だ。
彼女はいつも、こうやって私を呼びに来る。
「早く行かないと、怒られちゃうよ?」
「う、ん…今行く!」
この声に怯えるのはきっと、私だけなんだろうな…
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