甲野恭一

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しばらくすると、先生がたくさん教室にやって来た。 呆然と立ち尽くしている私に話をしてくれた。 ――あいつはだめなんだ… あいつには…近づくな。 あいつのことは放っておくんだ。 絶対に…分かったな? 何言ってるのって思った。 だって先生は、生徒があんなことしたのに知らんぷりなんて… 「絶対おかしいよ…」 「何がよ」 「わぁっ!あ、藍ちゃん!」  親友の種村藍ちゃんにはいつも助けてもらってしまう。 また心配かけちゃうから、このことはあんまり話したくない…かな。 「萌、うわの空だから様子みてたら独り言だもんねぇ。だいじょぶ?」 「だ、大丈夫です!」 いつも私のことからかうけど、すっごくいい人なんだよね… あねご肌っていうのかな? 「嘘。顔が変だもん。あんた嘘つけないんだから、無理しないの」 「顔が変って何?!そこのとこ詳しく説明ほしい!」 「じゃあ萌が先説明ね。はい、3・2・1!」 「えっ?あ、えっと…。って言わないよっ!私今回は言わない!」 「悪あがきはよしなさいねぇ。ふふふ…」 藍ちゃんは向かい合って座っていた席を立ち、微笑みながらゆっくりこっちにくる。 えっと、藍ちゃんなんで席立つの?なんで両手グーにして近付くの…? 「っ!!痛い痛いっ!!」 「白状しないといつまでも頭ぐりっぐりっするからねぇ!さあ吐けっ!」 「ぼ、暴力反対ぃい!!」
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