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「はぁ…、萌はなんでいつも変なことに巻き込まれるの」
「そんなこと言われても…」
結局全部話すことになってしまった。
藍ちゃんにはかなわないなぁ…
「あたし知ってるよ、その人」
「え…なんで?」
「2年の先輩だよ、有名なんだから。知らないあんたがおかしいわね」
藍ちゃんは、6月に入ってもまだクラスメートの名前覚え切れてない私と大違いだ。
ちょっとだけ落ち込む…
「甲野恭一先輩。事件ばっかり起こしてるけど、大きな罪に問われることなく平然と暮らしてる。触らぬ神に祟りなしっていうのかね?」
「なに…それ…!やっぱりおかしいってば!」
「大人の事情なんじゃない?色々言われてるけど、親が金で全部うやむやにしてるって聞くし。ろくな奴じゃないよ」
「う、ん…」
「あたしは萌が心配。気を付けなさいよ?そんなのに目付けられちゃったんだから」
「はーい…」
ちょっと、まだよく分からない。
藍ちゃんの話が嘘だなんて思わないけど、さらさらーっと受けとめられることじゃない。
甲野恭一さん…
ちゃんと覚えておかなくちゃいけない。
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