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その後、満足げな表情をさせた律がスキップしながら部屋に戻って来た。
何しに行ったかは聞きたくない。どうせ看護婦さんにさっき蹴った脛辺りの治療でもしてもらったんだろうから。
律「…いい。堪りませんなぁ…」
完全に上の空だな。自分の世界に入ってる。
ほら見ろ、響なんて呆れを通り越して蔑さんでる目をしているしな。
暫くは戻りそうに無いし…放っとこう、じき元に戻るだろ。
来る度にコレだからなぁ、そろそろ歯止めを掛けなきゃ駄目かな?無理だろうけど…。
『響、最近学校の方はどう?』
自分の世界に入り浸っている律を無視して、話題を変えた。
最後に学校に行ってから3ヶ月位経っている。発作も最近は起きなくなり、普通に生活出来る状態なのだけど、僕の担当医が心配性なのか一時退院を許可してくれない。
響「う~ん、特に変わった事は無いけど…。あっでもこの間、女の子がうちのクラスに転校して来たよ」
この時期に?珍しいなぁ。女子かぁ…どんな子だろ。
響「奏、鼻の下伸びてるよ」
響さん、笑顔なのに背後に黒い影が見えてるのは僕の見間違いかな?
目が疲れているな、幻覚まで見るようになったな。
響「またいやらしい事考えてたんでしょう?」
またって何だ?またって…。只、どんな女子か気になっただけじゃないか。
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