鳥カゴの中の鳥

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威圧感たっぷりの響から逃げるかの様に、僕は未だ自分の世界に居続ける律の首に手刀を浴びせてベットの中に潜り込んだ。顔を見られない様に布団を被って。 自分の病室なのに何か居心地悪い。いたたまれないなぁ…。 布団の外からは律の再びのたうち回る音と呻き声がしている。未だ突き刺さる響の視線をひしひしと感じながら誰か来ないかなと願っていた。 コンコン…。 やや小さめのノックの音が部屋に響いた。 響「はい、どうぞ」 誰か部屋に来たみたいだ。僕は布団の隙間から入口を覗き見た。 ?「あら、響ちゃんじゃない。来てたの?それと律君も」 響「あっ蓮姉、今日は」 このタイミングでやって来たのは蓮姉さんだった。流石は我が実姉、弟の危機を救いに参上。 この天使のような風貌を持つ女性、音無 蓮。 何処に出しても恥ずかしく無い自慢の姉さんだ。 僕は身内だからよく解らないけど、律いわくそこら辺の女の子なんか目じゃない位美人なんだそうだ。スタイルも良いらしい。 何で知ってんの?と律に聞いたら、以前見舞いに来た時に蓮姉さんは何故か僕の寝てる横で着替えていたらしく、偶然見たらしい(あくまでも偶然を主張していた、焦りながら)。 ムカつくのでとりあえず殴っておいた。 ノックしてから入れ馬鹿野郎。 それと蓮姉さん、何で僕の病室で着替えてんの?着替えるなら自らの部屋で着替えてよ。
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