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葵「…一ヶ月位前です」
まだ最近なんだな道理で見掛けた事無いと思った。
『何の病気で入院してるの?』
って聞く程、僕は野暮じゃない。
人には言いたく無い事の一つや二つはある。そんな無粋な趣味は無い。
葵「…奏さんはいつから?」
『僕は…結構前だな。いつ入院したか忘れる位だから。それと奏さんって言わないでくれるかな?何かくすぐったい。呼び捨てで良いよ。後、敬語もね』
さん付けされるようなキャラに位置付けされてる訳じゃないしね。
葵「…うん解った……か、奏」
少しばかり躊躇いながら言った。解りづらい照れた表情を見せた葵の顔に可愛いと素直に思った。
何だか妹チックな子だな。
って言うか僕の未だ空いてる妹のポジションにこの子を置きたい。
むしろ「お兄ちゃん」と呼んで下さい。
葵「……あの、どうかしましたか?私の顔に何か付いてますか?」
声に気付き妄想していた僕は現実に戻された。葵は不思議そうに僕を見ていた。
葵が僕を兄と呼ぶ姿を妄想していた、なんて言ったら引くよな。地平線辺りまで。口には出さないで心の中に仕舞っておこう。
『あっ、いや…何でも無いよ。うん』
葵「?…そうですか」
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