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『それはそうと、先生。僕いつ学校へ行っていいの?』
完治するかどうかも解らない病気だけど、せめて一時でも良いから学校に行きたいんだけど。
政宗「えっ?あぁ…次か。う~んと……」
先生は困惑な表情を浮かべ唸っている。
返答に困る質問って事は自分でも理解してる。いつ許可出せるか先生でも判断しづらいと思う。
……それでも願わずにはいられなかった。
我が儘なのは解ってる。
しばらく先生は考え込み「…よし」と小さく言って、僕の眼を真っ直ぐ見据えて口にした。
政宗「…奏っち。来週から一週間だけ行っていいよ」
『………え?』
最初は幻聴かと思った。しかし先生の眼はいつもののほほんとした物と違い、医者としての真剣な眼差しを僕に送ってきた。
『……本当に?冗談でした~なんて言ったら怒りますよ?』
政宗「武士に二言は無い。ただし途中で具合が悪くなるようなら即座に病院に戻る事」
先生は武士じゃなく医者だけどね。
そんな喜ばしい朗報に僕は胸の高鳴りを感じていた。
……学校に行ける?
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