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時間ギリギリの所でどうにか学校にたどり着いた。
僕は校舎を前にして見上げた。
(……久しぶり)
人に言うのでは無く、学校に対してさも友人と久しぶりに会うかの様に無言の挨拶をした。
ひとしきり校舎を見上げた後、先を歩く二人に足速に追い駆けた。
律「何してたんだ?どっか具合悪いのか?」
急に立ち止まった僕を不思議に思ったのか、心配そうな顔をしている。
『ううん、何でもない』
律「そっか?まぁ具合悪くなったら言えよ?」
『りょ~かい』
幾ら悪態づいても律は嫌な顔一つせずに僕の身体を気遣ってくれる。
口には出さないけど心の中では感謝している。
恥ずかしいと言うのもあるけど、律は調子に乗りやすい奴なので感謝の一つでも言えば、図に乗るので余り言いたく無いのが本音だ。
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