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1時間目の開始の煩わしいチャイムが鳴り響いた。
僕はこのチャイムの音が昔から苦手だ。
心臓に響く感じがどうにも好きになれない。まぁ好きになる必要は無いんだけどね……。
ましてや今の僕の心臓には以前より負担が掛かってる気がしてならない。
チャイムが鳴り終わると同時に、現国の先生が入って来て五月蝿く騒いでいたクラスメート達は、それぞれ自分達の席に戻って行った。
しかし一席だけ空席なのが目に付いた。
誰かまだ戻って来てないんだろうか……。
もしかしたら例の転校生かな?まだ学校に慣れてないから道に迷ってたりして。
『ねぇねぇ響、あそこの空いてる席って……』
僕は未だ誰も座っていない席を見ながら響に尋ねた。
響「ん?…ああ、転校生の席よ。おかしいわね、まだ戻って来てないなんて……もしかしたらまた妹さんの所かしら?」
ん?妹?何で?
『妹の所って……どういう意味?』
そういえば奏は知らないわねと一言言った後に、
響「転校生……名前は弥上 緑って言う子なんだけど、確か……二つ三つ年の離れた妹が居るらしいんだけど、病院に入院してるらしいのよ」
『入院してるんだ……』
ふ~ん大変だな。
ん?弥上?何処かで聞いた事あるような無いような……。
はて?何処だったかな?
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