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またそんな見続ける日が続いたある日。
喉が渇いた為、1階にある売店にジュースを買いに行った時だった。
飲み物が並ぶ陳列棚でジュースを選んでいると、後ろを誰が通り過ぎた。
普段なら気にかける事も無ければ見る事も無かった。
しかしその時は、重荷を抱えた心臓が動悸を激しく鳴り響かせた。
後ろ目でその人物を見遣ると紺色混じりの黒いロングヘアーが目に付いた。
………彼女だ。
何時も遠くから見つめるだけの存在だった彼女が、今、僕の後ろを通り過ぎた。
鼓動を響かせていた心臓はより激しく脈を打ち始めた。
まさか彼女が後ろを通る事なんて予期していなかった僕は緊張の余り、身体は身動き一つ出来ずにいた。
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