硝子の鳥

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僕が学校に行きはじめてから三日が経過した。 その間、何故かしら転校生には会えずにいた。 何でも妹さんの容態が芳しくなく、おまけに両親共働きの為、代わりに妹さんの面倒を看ているとの事……らしい。 ここまで会わず仕舞いだと何だか一つの運命か、神様が会わせない様にしているとしか思えない。 ……なーんて。単にタイミングが合わないだけの話だよな。 クラスが同じだから必然的に顔を合わす事になるんだから、慌てずに待っていよう。 律「おーい、奏く~ん!」 放課後になり帰り支度をしていると、妙に上機嫌な律が笑顔で近付いて来た。 ……うん、爽やかさの破片も無い不気味な表情だ。 律が猫撫で声で僕を呼ぶ時は大体ろくな頼み事をしない。 嫌な予感しかしない僕は露骨に嫌そうな顔を律に向けた。 律「……なに?その、明らかに俺からの頼み事を受けたくなさそうな、ものスゲー嫌な顔は」 わかってるじゃないか。いつも不幸な目にあってるからね、謹んで辞退させていただきます。 律「まま、そう言わずに~。」 何が目的なの? この後、病院に行かなきゃならない事は朝の内に言ったと思うんだけどなぁ……。  
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