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あぁ、でも悲しいくらいに私のあたまは朦朧としていて。
サンダルからのぞく、水色のネイルが、ゆらゆらゆれていた。
わずかに落ちてくるしとしと雨が、酔ったほおに気持ちがいい。
白いチュニックワンピースがぺったりと体にはりつき、夕方に巻いた髪の毛はしんなりとはりをなくしてしまった。
それにしてもこの街は田舎すぎる
場所がわからない。
タクシーを拾おうにも、車一台とおらない。
それどころかコンビニの光すら見当たらない。
このままだと、追ってきた男にあっさりつかまってしまうのではないかと思い、
誰かに迎えにきてもらおうと、バッグを開いた瞬間、それは私の手をすべり、中身が水溜まりへとちらばった。
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