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暗い車内、横顔だけでも、彼が綺麗な顔だってことはすぐにわかった。
髪は短めのアッシュグレイで、前髪からのぞく目は、奥二重で切れ長だけど、笑うと少し目尻がたれてかわいかった。
すっとのびた鼻筋も、唇がうすめで、横にニッと大きめな口も、いかにも今風で、
私のタイプの顔ではなかったけれど、見とれるには十分な美しさだった。
小さな耳には、(左耳しかみえなかったけど)みっつ穴があいててそのひとつはグッチだった。
首からも、グッチのペンダントがのぞいてた。
「グッチ、好きなんだ」
なんとなく、つぶやいたら、
「好きっていうか。似合うでしょ?俺。
なんか、もらうんだよね」
と、傲慢なかわいい笑顔で笑った。
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