エイタ

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「ところで、あんなところで一体何をしていたの?」 急に、自分に話をふられて、一瞬とまどった。 「えっと、好きでもない人と二人でお酒を飲んでいたら、息は臭いし、乳もんでくるし、このままじゃヤラレルて思って逃げてきました。」 悲観的にでも自虐的にでもなく、淡々とそういうと、 「ヤル気もない男と二人で飲みいっちゃいけないでしょ」 って、半笑いで返された。 うん。 でもほら、やってもいいかなて思ってデートしてでもやっぱ無理っていうこともあるじゃん? あるでしょ? ないか。 だめか。 なんて、軽く返すつもりが、 「だって、今日、誕生日だったから」 と口から出てきて、 なぜか、二粒ほど、泣いてしまった。
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