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彼の身体はすごくきれいだった。
自分の身体が申し訳ないくらいに。
外は雨で、車内は狭く、暗く、そのことがせめてもの救いだった。
雨の湿気と夏の温度と、濡れた私の臭いと、私に濡らされた彼の臭い。
お酒のぬけきらない頭の中で、フワフワと、私はまるで天国にいるんじゃないかと思った。
神様が、私にくれた誕生日プレゼントだ。
そう思いながら、殺那的な幸せと、きもちよさに、結局また、涙が出てきてしまった。
「名前を呼ばせてよ」
ていったら、
「好きに呼んでいいよ」と言われので。
「グッチ裕三??」
って言ったら、
「それは無理。好きな芸能人とかいないの?」
って返された。
「瑛太」
って答えたら、じゃ、それでいい。
っと、吐息混じりにはにかんで笑った。
瑛太に全然似てないけど…
って、笑いながら、
「エイタ…」
って小さく囁いた瞬間、彼はせつなそうな顔をして、私の上で果てた。
私は恋に落ちた。
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