611人が本棚に入れています
本棚に追加
コールの死体を一瞥する。ぐちゃぐちゃにされ、なんとも哀れな光景だ。滑稽なその姿に、喉から笑いが込み上げてきた。
「ククク……」
それは次第に大きくなり、腹からの笑いに姿を変えた。
「ハハハハハハ!」
哀れだ。滑稽だ。
言い知れない快感に、俺は身を委ねる。
だが、いつまでもそうはしていられない。
瞬間、俺は頭の中が真っ白になった。誰かが歩いてくる足音が、外から聞こえてきたのだ。
意味もなく息をひそめ、俺はコールの死体を急いで浴槽の中に隠した。体が悲鳴を上げていたが、そんな事はかまっていられない。
風呂場を出て、本棚から適当な本を出す。それはベッドに投げて、俺もベッドに向かった。
その時、扉から二回、ノックの音が聞こえてきた。
「入るわよ」
それは忌み嫌う、妹の声だった。
最初のコメントを投稿しよう!