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空は濁っていた。まるで俺の気持ちを表しているようで気持ち悪かったが、とりあえずここでは本を読むか、空を眺めるしかする事しかない。
周りを見渡すと、十畳ほどの空間。木で造られた、屋敷から離れた場所にある小屋。俺が座っているベッドの横には窓があり、そこから空を眺めている。ベッドの真正面に木で造られた机とぎっしりと本が詰まった本棚が並ぶように置かれている。
とりあえず俺は、空を眺めているのも飽き、本を読むためにベッドから降りた。
ベッドから降りたら左手に出入口のドアがあり、その向かい側に風呂とトイレに続くドアがある。
まず、顔でも洗って気分を変えようかと、右手にあるドアを開けた。中は真正面に浴槽があり、すぐ左にトイレ、横には鏡と洗面台がある。
洗面台に向かい、蛇口を捻る。水が下の排水口に流れていくのをしばらく眺め、手ですくい、顔を濡らした。
鏡を見ると、なんとも惨めな自分の顔があった。長い黒髪は横に跳ね、白い肌からはまともに外に出ていない事がわかる。少しつり上がった目の色は、黒だがどこか濁っていた。目の下には隈があり、白い肌がそれを強調している。
目の色は、空と同じだ、と思った時には後悔した。また、惨めな感情が出てくる。
もう一番、自分の顔を見ると、さらに目は濁っていた。
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