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はじめまして太郎です。
今からの話は私のちょっと変わった恋愛?の話です。
それは私が23歳の春3年間付き合っていた彼女にサヨナラを言われ嘆き悲しむ日々から少し立ち直った頃の話です。
その頃の私は毎日家と会社を往復する日々。
たまに同僚と呑みに行くぐらい。
なんにたいしてもヤル気が無く。
川を流れる木の葉のような。
そんな生活をしていました。
その日も何時もの通い慣れた道を歩いて駅に向かっていました。
いつもは気にも止まらないような。
ある事すら知らなかったガラスばりの小さな花屋の前。
私は妙に気になる鉢植えを見つけました。
何のへんてつもない普通の素焼きの片手で持てるくらいの小さな鉢植えに土が入っているだけの物。
でもじっくり見る時間も無く気にはなりましたが駅に向かいました。
その日の帰りに花屋で朝気になった鉢植えを眺めてみました。
『何故気になるんだろう…普通の鉢植えなのに…。』
と思いながら眺めて見ましたが理由は分からず。
しばらく眺めていると。
見た感じ二十歳くらいのショートの似合う可愛い女の子が。
ニコニコしながら出てきた。
「何かおさがしですか?」
と声をかけられビックリして思わず。
「そ・その鉢植え下さい」
女の子は顔を笑顔一杯で。
弾むような声で
「ありがとうございます、贈り物ですか?」
思わず。
「は・はい」
と言ってしまった。
『あぁなにやってんだろ…こんな鉢植えなんか買って…まぁ500円だしいいか。』
女の子は鉢植えを可愛い赤いリボンでコーティングして両手で持って出てきた。
「お待たせしました、この鉢植えは中に花の種を植えてありますから」
「そうですか、何の花ですか?」
とそっけなく聞くと。
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