第一章
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時計の針は、すでに17時を指している。 真昼に殺人的な太陽光線によって熱された空気も、幾分は落ち着いてきて、軽く湿気を帯び始める頃だ。 丁度この時間帯が一番すごしにくい。新しく湿気を手に入れた、まだ少し熱を孕んだ空気が漂っているからだ。 電車を降りた僕は、電車の中の天国のような涼しさと打って変わったこの空気を厭わしく思った。
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