第一章

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人通りの多い商店街の角に、小さな、白い屋根の花屋があった。 「いらっしゃいませ」 足を踏み入れたら、鈴を転がしたような…しかしどこか無機質な声が聞こえる。 店の玄関などによく設置されている、客を出迎えるための装置だ。 「すいませーん…真っ白い花ってありますか?」 店員さんを探しながら、声を上げる。 「はい、ありますよー」 店の奥から声が飛んできた。玄関の装置に劣らない、可憐な声。温度を感じる声。
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