虚空の中の少年 美月side

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「あれ?美月。茜と夕葵の姿が見えねぇけど?」 「あの二人は購買に行くって言ってたよ?あ!陽哉、暁。お昼、御堂君も誘おうと思ってるんだけど……どう?」 陽哉は困惑の表情で、美月の後ろに座る宙をチラリと見る。 宙は我関せず、一人で食べるつもりなのかお弁当を広げはじめていた。 「なぁ、マジで誘うのか?」 「嫌?」 「いや、別にいいけどさ……」 渋りながら陽哉は言うと、暁に物言いたげに視線を向ける。 暁はそれを受け、小さく肩を竦めた。 「陽哉が言いたい事は分かるけど、僕は別に構わない」 「ホント?じゃあ誘おっと!」 嬉しそうに返事を返し、美月はグルリと後ろを向く。 宙は感情の灯さぬ瞳で美月を一瞥する。 「何?」 「御堂君とお昼一緒に食べたいなって思ってさ!」 「おれは思わない」 瞬時に断ると、宙は弁当箱のフタを外そうと手を伸ばす。 その手を美月は抑えた。 「食べよ?」 ニコニコと笑いながら言うと、宙は若干顔を引きつらせた。 ――なんだ……。 ちゃんと感情出せるじゃない。 美月はニッコリと笑うと広げられた弁当を強制的に片付け、宙を立たせた。
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