虚空の中の少年 美月side

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「ちょっ……!おれは……」 「ほらほら。進んで進んで!」 「昼は一人で……」 「いいからいいから!」 「おれは良くないんだけど……」 御堂君の腕を取り、引きずるようにして歩く。 あたしの強引なやり方に、暁が呆れた目を向けてくる。 陽哉なんて、御堂君に同情するような面持ちをしている。 ……何か二人共、あたしに対して失礼じゃない? 美月は不満げに口を尖らせた。 陽哉がそれを見て笑う。 「御堂、諦めろ。こいつはこの通り強引な奴だ。この先は階段だから自分の足で歩いた方がいいぞ?」 「おれ……」 「美月の事だ。お前を階段でも引きずるぞ?」 「………っ!」 いやいや。 あたし、そこまでしないけど……。 御堂君も「確かに……」って顔しないでよね? それに御堂君の腕細過ぎて、そんな事したら折れちゃいそうだし……。 怖くて、流石にそんな乱暴な事までは出来ない。 御堂君は少し考える素振りを見せた後、諦めたように深々と息をついた。 あたしはそれを見て、にやりと笑った。
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