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「キャトちゃーん、もう起きたぁ?」
少し間のびした、軽やかな声が機体の前方の方から聞こえてきた。コックピットの操縦席に座ったまま上半身だけをこちらにひねって、機長あきちょん♪さんがにこやかに話し掛けてきた。
「キャトちゃん達と別れるのは悲しいけど、飛行機がいっぱい降りてきてるから、そろそろ僕達もどかないとイケないんだけど…。」
あきちょんさんの隣の席に座った副操縦師の何故か機内でフルフェイスを被っている、大沢木大鉄さんが前を見据えたまま無言でうなずく。
そうだ。歌の事なんか気にしてる場合じゃない!反射的に直立してしまう。
「す、すみませんでした!お送り頂きありがとうございます。」
「ううん、いいんだよ。お仕事終わったら迎えにくるからね。ウィ~ ア~ モバトモ、オーライ?」
「オ~タケチャ……あ、いや。お願いします。」
私は二人に短く敬礼をし「失礼します」と言い、機体の後ろにある出入り口へと向かった
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