呪い1

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俺は唖然とした、頭が真っ白ですよ。 そりゃあいきなり目の前……と言ってもテレビの中ですが、貞子的な奴が頭にコブを出しながらうずくまっているのですから。 だがしかし女性には紳士な俺の性分か、自然と出てきた言葉が 「どういたしましたお嬢さん?」 だ!おかしいだろう? さっかまでガクブルしてた男のセリフではないな! 「頭イタい……」 ほほう……痛みはあるのですか、しかし可愛い声でしたね。 さらに俺は、ずっと頭を抱えながらうずくまる貞子(仮名)に恐る恐る聞いてみることにした。 「もしかして此方に来るんでしょうか?」 そして貞子(仮名)が此方を見つめて首を横に小さくフルフルと振り、そして一言。 「出れない……」 頭を抱えながら涙目で此方をみてくる貞子。 やべ……一瞬貞子(仮名)の予想以上の可愛さにちょっとドキュンと来ちゃったよ。 しかしまぁ……なんだ。 「死ななくて良かった……」 俺は苦笑いしかできなかった。 めちゃくちゃ苦笑いだった。 どうやら出れなくてテレビの画面に頭を打ったようだ。 え?出れないとかあんの?
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