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相変わらず、真田は同じ体勢で眠っていた。
恐る恐る近づき、ベッドを覗くとぐっすり規律正しい寝息をたてている。
「ぅ、わぁー……!ほんとに綺麗……!」
その寝顔に私はいとも容易く魅入られる。
長い睫で縁取らた綺麗な目も、きめ細かい艶やかな肌も、すらっと嫌みな程通る鼻筋、整った薄い唇。
かっこいいの基本要素を全て身にまとい、それを余す事なく魅力として生きている彼は少しずるいと思う。
同じ人間というカテゴリーなのにどうしてこんなにも違うものか……。
神様、天は二物を与えない。というのは嘘だったんですね。
この人多分賢いし、かっこいいもん。ちょっと上手く出来たからって、神様手かけすぎじゃないですか?
私なんて、余りもので作ったでしょ!
……でも1つ気になるのは、眉間のシワ。
やっぱりあれだけの会社の社長さんだもん、ストレスも凄いよね。
寝かしといてあげよう。私が、ベッドから離れた時だった。
「……希」
「えっ?」
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