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真田は意味が分からないって顔をした。それはもちろん、当たり前の反応だけど……
本を置き、真田が眉をひそめて、私を見つめる。
「何が違うんだ?」
吸い込まれそうなほど、綺麗な瞳が私を見透かせば、私の口は簡単に割る。
「……の、希さん」
「希?」
真田は一層分からない顔をする。私は頷いて二の句を繋いだ。
「……呼んだ」
「誰……、って、俺が?」
真田は自分に指をさして、確認する。それに私は頷いて応えた。
あぁ、恥ずかしい!!全身を血が走り回ってる感覚。それに頬が熱い。多分有り得ない位真っ赤だ。
真田はそれでも続ける。
「いつ?」
「さっき寝言で"希"って」
真田は一度、考える素振りを見せてから、肩を震わせ始めた。
これって、もしかしなくても……
「ククッ、……ふ、はっ!はははっ」
やっぱり!!
「何で人が真面目に話してるのに笑うのーっ?!」
わ、私だってそんなこと?と思ったけどさぁ!!
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