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そして、気づいたことがひとつ。
私のこ、腰に回る手!
いわゆる、抱き締めたまま!ずっと抱き寄せたまんま!!
きっと、これのせいで心臓がうるさいんだ。
真田の顔近いし!!
じたばたして必死に脱出を試みても、腕は動かないし、ずっと笑ったまんま。
あれ、まさか気付いてない……?腕、鈍感なんだな……。
「あの、真田さーん?この腕……」
「新」
「はひっ?」
「マイネームイズあーらーた。Do you understand?Please call me.」
英語苦手の私でも発音が驚くほど綺麗なことがわかった。
だって、学校で先生が読むそれとぎこちなさが違う。
何とか訳せたけど。
「……呼べ、と?」
真田はいつもの嫌みな笑いで真っ赤な顔の私を見下げる。
「物わかり良い奴は好きだぞ。……さて、俺のこと、なんて呼べばいいんだ?」
「……っ!あ」
「あ?」
丁寧に発音された真田の"あ"が耳をくすぐる。
「……あら、……すか大陸」
無理!呼べないよ!!
そんな目で見ても、無理なもんは無理なの!
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