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「いってぇな、お前!まぁ、いい。今回は特別許してやるから、さっさと準備して来い」
何どーでもいいみたいな目してんだ!
とは、言うものの、次はないぞ、と暗に忠告された私は、ちょっと怖いので素直に支度をしに、踵を返した。
「すみませーん。真田さん、準備できましたよー」
数十分後。
待たせるのも悪いと思って、急いで、ざっきばらんに詰め込んだ鞄を持ってかけ降りてみれば、
真田 新は私のソファーで悠々と寝てやがった!
「有り得ないよ……」
焦りの余り、袖のはみ出たボストンバックを、床に置き、その超人並の神経の男の顔を覗き込む。
綺麗な顔だな、おい。
素直な感想が、コレ。
だって凄いんだもん!
なんだこの小顔!鼻ちょー高けぇ!
そして、微かに香る、タバコの匂いは大人を感じさせた。
私はまじまじと真田さんの顔を観察してしまっていた。
すると不意に、長い睫に縁取られた目が開いた。
「そんなに俺の顔が好きか?お前」
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