ごたぁーいめぇーん

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この人喋らなかったら、相当モテるだろうに…… なんか、すっとぼけた発言で、美しさ三割減だなぁ。 憐れみの目で見ていると 「声、出てるぞ」 お約束も、お約束。口にしていました。 「わわっ!ごめんなさい!」 「……気にしてない。それにほら、かせ」 私の前に、大きな手が差し伸べられる。あれ?今更、握手? 私は戸惑いながら、あいてる方の手でそれを握り、小さく上下に振った。 「……お前、馬鹿だろ」 「なっ?!」 せっかく人が友好関係を築こうとしてるのに!ムッとしている、私の手から、ボストンバックを奪った。 そして、両手にぶら下げていた大きな鞄をあっさりと、片手に担いだ。 「女に荷物持たせんの、趣味じゃねぇんだよ」 「あ、ありがとうございます……」 そんな真田さんの後ろ姿を見て、 ほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけね! かっこいいな…… って、思った。
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