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さすがは超高級のスポーツカーだけある。
一流品なだけに、しなやか過ぎる走りに……
って、余裕で解説してる場合じゃない!!
いやむしろそうしていないと、気が軽く飛びそうだ。
せっかくこの車に乗れてるんだから、という私の訳のわからない意地が、意識を飛ばす事を許さない。
「さ、真田さん!飛ばしすぎですっ!」
大通りを通過するこの車は、どこぞのハリウッド映画のごとく、次々と車の合間を縫って、進んでいくのだ。
もちろん、スピードは最速維持で。
何度私の心臓が、恐怖した時になるクルッとなる現象を引き起こした事か。なのに、平然とした顔で
「出るもんは仕方ない」
「スピードでる車を買ったのはあんたじゃないですかーっ!!」
車内に私の裏返った声が響く。それに合わせて小さな笑い声。
運転に集中してーっ!!前を見てーっ!!私の必死な指が、フロントガラスをさす。
「死にたくないーっ!!」
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