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やっとのことで家に着いた、らしい。
私は意識を手放していた。
「おい、起きろ。着いたぞ」
ぼんやりとした意識の中で、誰かが頬をしつこく叩く。
振り払おうが、そのかすかな刺激は連続して私に降りかかる。
「んー……、はっ!!」
漸く覚醒してきた意識に従い、目を開けると、ドあっぷで真田さんの顔。
綺麗ですねっ!
って、
「うぉえゃあああ??!」
状況が全く理解できず、混乱と共に口からでた叫び声は、今時の女子高生からは想像できない、可愛くない声だった。
いや、ここはしつこく食い下がらしてもらうが、本来本当に驚いた時、「きゃあ!」などの可愛らしい声は出てこない。
それでも、もう少し可愛らしい声が良かったな、と私は思った。
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