すい-とびた-

とりあえずマイペース

｢できましたよー!｣

私はテーブルに湯気が立つ、ホカホカの牛丼を置いた。

味見してみれば、我ながらなかなかのお味だ。

それなのに、ソファーで寝てしまったご様子の真田。

いやもうむしろ真田様って感じだ。態度とか、態度とか、態度とか……?

だんだん消えていく湯気。どうせなら、熱々を食べてほしいのだけれど、声をかけても起きる気配がない。

耳元でオーイと呼んでみても、形のいい眉を少し歪めただけ。

｢もういいや。ちょっと冷めちゃうけど……｣

放っておく事に決めた。

よくここで寝るのか、すぐ近くに置かれていた毛布をかけた。

そして私はテーブルに座ると、その様子をボーっと見ていた。