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その言葉に、ボッと顔が熱くなったのを感じた。
「……って事で、寝室案内するからついて来い」
気付いてない様子の真田は、テレビを消し、私に指示を出した。私は、慌てて小さく返事をすると、既に歩き出している真田を追いかけた。
広い廊下を歩き、いくつもの部屋がある中で周りとの間隔が一際あいた、部屋の前で真田は止まった。
「……寝室はここだ」
そう言うと、ためらいなく金のノブを下に下げ、ドアを開けた。
「わぁ……っ」
私の口から、感嘆の声が溢れた。なぜなら、そのベッドの大きさ。
部屋の三分の一を占めるそれは、頑張れば大人十人寝れるだろう。
「好きに使っていいからな」
よくよく考えれば、だ。
私はもともとこれよりずいぶん小さなベッドでも寂しくて、ぬいぐるみで埋め尽くしていた。
それを今日、初めて来たのに独りでなんて、寝れるだろうか……?
そう考えれば、不安は募る。
「……じゃ、俺は風呂入ってくるから。先に寝とけよ」
真田は、片手を上げると早々に部屋を出て行ってしまった。
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