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寂しさを紛らわせようと、目を瞑ってみたが、やはりダメだった。
どうしよう、どうしよう!
そんな焦燥感に駆られる。先ほど試みた羊を数えるのも、きっと羊が無限に頭の中を回るはずだ。
だけど、さっき自分のわがままでこのベッドを一つ貰い、持ち主をソファーに追いやったのだ。
添い寝して、など言えるはずがない。
グルグルと、考え事が頭を回れば、目は冴えてくるばかり。
先ほどまでしていた物音がなくなったのを、聞けばどうやら彼は寝たらしい。
という事は、この家で起きているのは私だけ……?
そう考えると、また目が冴えた。
ガタガタという物音で、胸が嫌な高鳴りをする。風なんだ、と昼は思えるのだろうが、いかんせん今は夜。夜は感情の高ぶりが激しいため、嫌な想像をしてしまう。
なにしろ私は、心霊とかそう言った類いのものが、大の苦手なのだ。寂しさ、という感情に、恐いという感情まで付加されてしまった。
どうしよう、どうしよう!止まっていたはずの涙は、また溢れ始めた。
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