13882人が本棚に入れています
本棚に追加
筋肉の収縮で体が、ピクッとなった反動で、俺は目を覚ました。
見ていたニュースが、やかましいバラエティーに変わっていた。
まだまだ眠たい眼を擦る。そして、気付いたのが肩に温もり。
毛布か……。
ずり落ちて、もはや無意味となったそれを手に取る。
どうやら、かけてくれたらしいな。
周りを見渡すと、テーブルに伏せ、健やかに眠る努杜がいた。
俺らしくもなく、足音を忍ばせ、ゆっくり近づくと、毛布をかけてやった。
だって、風邪引かれたら飯作る奴がいねぇしな……。
いつもと違う自分の変化に、言い訳をする。
そんな時だった。
「ん……」
こいつは、うっすら目を開けた。
「……悪い、起こしたか?」
詫びてみたが返答なし。変わりに何故か、微笑まれた。なんとも可愛らしい、笑顔で。
その瞬間、自分でも驚いた事にキスをしていた。慌てて、顔を離せど起きる気配はない。
心臓が、気味の悪い程脈を打つ。慣れすぎている筈のキスも、どこか初々しかった。
……っておい、ちょっと待て。こいつ高校生だよな……?
「……俺って、まさかロリコン?」
最初のコメントを投稿しよう!