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その後、俺は華奢な肩を軽く叩き、眠るこいつを起こした。
自分が寝ていた事に驚いた様子で、何度か謝りながら飯を用意してくれた。
その飯の美味い事といったら、この上ない。甘さ加減、塩加減、湯で加減。全て俺好みだ。
どうやら、料理が得意なのは本当らしい。
久しぶりに手作りされた物を食べた。そして、こんなに美味いと思ったのも初めてだ。
空腹は最大の調味料と言うが、空腹分を差し引いても十分美味い。
俺は「美味い」と告げると、ホッとしたようで、砕けたような笑みを見せた。
努杜夫妻があんなに可愛がるのも、頷ける。確かにこの目の前の女は、今までにない可愛さがある。
食後、すぐに後片付けを始めた努杜のせかせかキッチンを走り回る姿を見ながら、そう思った。
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