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私は、鞄に財布とディスクを入れた事を何度も確認すると、真田からもらった一室に走った。
クローゼットから、当たり障りのない服を引っ張り出し、急いで着替えると、もう一度鞄を確認して家を出た。
マンションのエレベーターを降りた所で、タクシーはすぐ拾えた。
気前の良さそうなおじさんが、「どこまで?」と聞いてきた。
住所も何にも知らない私は、おずおずと建物の名前を口にした。
「あの、SANADAビルって知ってます?」
「知ってるよ。デカいビルだからね」
本当に分かるんだ!私は感動を覚えた。
「じゃあそこまで急いでお願いします!」
「はいよー」
タクシーに揺られ、数十分。その間、おじさんとしばしの談笑を楽しんだ。
そして、SANADAビルと言われる場所に着いた。
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