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ざわっと、より一層ざわつく。
私だって、何でさっきまで喧嘩してた人をかばったのかは分からない。
けれど、何か気に食わない。
「お前には関係ないだろう?俺はここの社長で、こいつは俺の会社の社員なんだ。どうこう口を挟むな」
……関係ない?何それムカつく!何かすごいムカつく!
高揚してしまっている私の感情。人目もはばからず、つい口を出してしまった。
「……ディスクを忘れやがったのはどこのどいつですか」
「俺だ」
「……じゃあ、まず最初に失敗したのは?」
「俺……、だ」
「じゃあこの原因は?」
「…俺だな」
「はい正解。じゃあ、そこの可愛らしい受付嬢さんに謝って」
「すまなかった」
「あっ、いえ私が先に勝手な判断をしてしまったからです。申し訳ありませんでした」
まるで外国のお金を入れたら、動くおもちゃのようにテンポ良く二人がお辞儀し、事は済んだ。
「て事でこの話終わり!私は帰る」
そうそう!ゆっくりしてたかったんだもの。
私は、二人から踵を返し、帰路につこうとした。
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