真田社長

10/29

13882人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
ざわっと、より一層ざわつく。 私だって、何でさっきまで喧嘩してた人をかばったのかは分からない。 けれど、何か気に食わない。 「お前には関係ないだろう?俺はここの社長で、こいつは俺の会社の社員なんだ。どうこう口を挟むな」 ……関係ない?何それムカつく!何かすごいムカつく! 高揚してしまっている私の感情。人目もはばからず、つい口を出してしまった。 「……ディスクを忘れやがったのはどこのどいつですか」 「俺だ」 「……じゃあ、まず最初に失敗したのは?」 「俺……、だ」 「じゃあこの原因は?」 「…俺だな」 「はい正解。じゃあ、そこの可愛らしい受付嬢さんに謝って」 「すまなかった」 「あっ、いえ私が先に勝手な判断をしてしまったからです。申し訳ありませんでした」 まるで外国のお金を入れたら、動くおもちゃのようにテンポ良く二人がお辞儀し、事は済んだ。 「て事でこの話終わり!私は帰る」 そうそう!ゆっくりしてたかったんだもの。 私は、二人から踵を返し、帰路につこうとした。  
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13882人が本棚に入れています
本棚に追加