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細めの男の人が、ジリジリと私に近寄ってきた。どうしよう?!殴られる……っ!
痛みを堪えようと、目を瞑った瞬間、訪れたのは痛みでは無く、圧迫感。
圧迫感?
「えっ、えぇ?!」
うっすら目を開ければ、満面の笑みで私を見る男の人が、私を抱き締めていた。
何、これ……。どういう状況?!
こんがらがった頭で、状況を理解しようと必死に目を動かして、情報を得ようと試みる。
「よくぞ言ってくれた!!」
だけど、やっぱり状況は理解できない。だって何故か拍手が沸き起こっている。
これじゃ、より一層訳が分からないと言いますか、その……
「えっと……?」
その男の人が、私の背中を叩く。それがまた、痛い。自分が男だって事、お忘れになってないですか?
「いいね、君!社長に物怖じしないであれだけ言えるなんて!ありがとう!」
叩く手が止まり、ようやく私も理解出来た。
そっか、皆さんも同意見だったのか!
「で、ですよねーっ!!」
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