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「そうそう。しかも、あの社長が食べれた料理なんてすごく興味深いしね」
うさみさんは肩にあった小林さんの手を一発しばき、私をギュッと抱き締めた。
あの社長って、どういう事?
うさみさんは何気なく言ったんだろうけど、私には気にかかった。
うーん、と悩んでいると、うさみさんが私の頭の上に顎をのせていた。
「それにこーんな可愛い子が作る姿をみてみたいのよー!」
「あばっ!う、うさみさんっ!!大好きですーっ!」
ギューッと後ろから抱きしめられると、さっきの疑問なんてなかったようなもの。
私全然っ、可愛くないですけど、嬉しいです!!
私もうさみさんの手を握り返した。
周りに白い目で見られる中、
「クス、あの真田社長はね調理されたものを嫌うの。野生児でしょ」
こっそり私に教えてくれた。
「えっ?」
予想外な言葉に、私は一瞬耳を疑った。
だってあの時、私が何が食べたいか?って聞いた時、確かにたらこパスタが好きだって……
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