13882人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
まぁ、最後のは無しとして、やけに説得力があるのは確かだった。
男として恥ずべき事であるからな。
「それに希は「うさみ」
うさみが言いかけたのを、健吾が止めた。うさみはハっとしたように、口をおさえると咳払いをしてから、再び口を開いた。
「と、とにかく、ちゃっちゃとくっついて下さいな。社長が独り身で寂しいから残業が増えるんです。迷惑なんです、色々」
「はいはい。それはそうかもな」
ひらりと片手を上げ、うさみから離れた。
「あんのクソ男……。言うこと絶対聞いてないだろ。……ちきしょう、いっぺん死んじまえ」
とうさみが呟いたのはもちろん、この新様特製耳に入ってきた。
この神様から愛されすぎて完璧すぎの俺を「クソ男」だと?
残業だな。
あいつに残業押し付けてやる。
俺はうさみに課せてやる仕事で1番めんどくさいものを頭で考えながら、キッチンへ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!