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「おっ、大せいかーい! いやー締め付けられるのが嫌いでさー? あははは」
「ぶーーーっ!!」
俺は盛大にぬるい麦茶を吹き出してしまった。
まさか冗談で揺さぶりをかけたのに本当に下着着けないってのかよ……。
じーっと、嫌でも視線がエプロンの下にあるTシャツとジーパンの大事なところに目が行ってしまう。
「何、吹き出してるのよ? 汚いわねぇ……。ちゃんと掃除しないと優太の着替え洗わないわよ? それに、冗談だから。思春期真っ盛りの獣達の住む男子寮で、こんな美人な私が下着無しで過ごしたらどうなると思う? 襲われちゃうよ」
俺は机の上に広がるぬるい麦茶の湖をティッシュで拭き取りながら、また溜息をつく。
一瞬でもこの人に動揺させられた自分が恥ずかしいし、なんて愚かだったんだろう。
ていうか、夏子さんは襲われても充分撃退する力があるだろうに。
そんな女の人としての魅力は充分あるであろう夏子さんは一口だけ缶コーヒーを口にする。
「……誰も夏子さんなんて襲いませんて……」
「なんか言った?」
「いや……」
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