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「それで優太、ご飯食べてく?」
「いや、昨日の残りがあるから大丈夫ですよ」
たしか、冷蔵庫には昨日食べ残したコンビニ弁当が入ってる筈だ。
賞味期限は昨日の十二時だった筈だが……まぁ、食べれないこともないだろう。
胃腸も弱い方じゃないし、そんなやわな体はしていない。
「そ……コンビニ弁当ばっかりじゃ栄養偏るよ? 遠慮せずに食べてけばいいのに」
いつも笑顔な夏子さんが少し表情を曇らせる。
「それじゃまた今度食べに来ますから、今はその気持ちだけ有り難く受け取っておきますよ」
夏子さんの気持ちは本当に有り難いけれど、いつもいつも世話になるわけにはいかないしな。
春日寮での食事は主に自炊。
週に一日ほどは寮生達は夏子さんの料理を食べさせてもらえている。
なんでも、それが寮長と寮生の大切なコミュニケーションになるかららしいが。
まぁ、それが中々美味しく寮生達には評判が良い。
しかし、今日は世話にならずに自分ん家で済ませれる。コンビニ弁当を捨てるのも忍びないしな。
俺は夏子さんの部屋を後にする。
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