Mission NO,0

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八畳一間の寮生一人暮らしには中々の広さの部屋。 見当たるものはと言えば、ベットに本棚、十二インチのテレビ、小さな机、簡易キッチンに押し入れ、以上。 夏子さんの部屋に負けず劣らずの殺風景。 まぁ、まだテレビがあるだけましかな。 部屋に足を一歩踏み入れると同時に、むわっと暖気が立ち込めているのを感じる。 カーテンはおろかレースすら閉め忘れた部屋の中は、日中から光を南窓から受け続けていたらしく、かなりむさっていたようだ。 日光がダイレクトにインしていたのだ。 ま、この結果が当然と言えば当然だわな。 ひとまず、部屋をこの蒸し風呂状態から解放するために南窓を開け放った。 すると、ふわりと心地良い風が頬を撫で、部屋の中へと入っていく。 まだ扉は閉めていないので風がむさい部屋の中を通り扉へと吹き抜けていく。 一瞬にして部屋の熱気がリセットされていくようだ。 ベットに腰掛け、特に見たいテレビがやっているわけじゃないが、とりあえずリモコンを手に取り、テレビの電源を入れる。 何チャンネルを点けようとも、放送されているのはニュース番組ばかり。
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